前回の記事で、グーグルをなるべく使わないようにする、ということを書いたのですが、実際にグーグルを排除すると、仕事やプライベートでパソコンを使用するときに、様々な問題があることがわかりました。
なぜ、グーグルを使わないようにしようとしたのかは、NHKで「デジタルVSリアル さようならプライバシー」という番組をただのがきっかけでした。

番組の中では、いかに多くの個人情報が、その本人によって差し出され、それを使えば、インターネットの世界の中にもう一人の何もかも自分そっくりなデジタルの自分像を作ることができるという現実を見ました。
その本人によって差し出されるデーターだけで、本人の現在の様子(年代や性別、趣味嗜好、仕事、経済状態)などがたちどころにしてわかってしまい、それだけではなく、これからの未来にその人が起こすであろう行動まで予測できてしまうということでした。
番組では、実際にある方に協力してもらって、本当かどうかを検証したのですが、その検証を行ったIT企業が出した結果は驚くほど現在のその方の生活、そしてこれから未来の行動などを、正確に予測していたことがわかりました。
グーグルが提供するサービスは、個人向けでは無料で使えるものが多く、しかもそのサービスはとても品質が高いものです。
検索一つとっても、マイクロソフトが運営する「B-ing(ビーイング)」と「グーグル検索」では、簡単な銀行のホームページを探すような検索では同じ結果が出ますが、より複雑な、いくつもキーワードを連ねての検索では、全くと言っていいほど違う検索結果が出ました。
そして、より私が求めていた情報を見せてくれたのはグーグル検索でした。
グーグルがなぜそれほど良いサービスを無料で提供できるのかという答えは、ユーザーから集めた膨大な情報を、個人名などがわからないような状態で、よその会社に売っているからです。
何しろグーグルが集めているのは、ユーザー自身が知っていて、もしくは知らず知らずのうちに、自ら提供した情報ですので、これほど信憑性の高い情報はありません。
探偵を雇って調べた情報よりもはるかに正確です。
そうして、グーグルは莫大な利益をあげていると、番組では紹介されてました。
番組の中では、実際に町の若者にインタビューして、自分の個人情報がそのように扱われているけれどう思うかを聞きました。
その答えの一例は、プライバシーよりもサービスの便利さの方が上回るというものでした。
そして、多くの人がそのように考えていることがわかりました。
かくゆう私もその中の一人です。
番組を見終わった後、なるべくグーグルを使わないようにしょうと、インターネットを見るブラウザをグーグル・クロームからファィヤーフォックスに変えたり、先ほど述べました検索をグーグルではなくB-ing(ビーイング)で行おうとしたり、主要なことに使うメールをGmailからマイクロソフトのHotmail(ホットメール)にしたりしました。
しかし、個人利用はともかく、仕事で使う際に今まではなかった障害が立ちはだかりました。
検索はその最も大きな例です。
仕事では、複雑なことを検索することが多く、グーグルだと欲しい情報が、最初のページに検索結果として表示される可能性が高いのですが、マイクロソフトのビーイングの場合、全く検討外れの検索結果が最初に表示されました。
この影響は大きく、日々、1日に何十回もそうした仕事に関する情報を検索する側としては、やはりグーグルに頼らざるを得ないことを実感しました。
他にもメール、マップ、YouTube、データーをインターネット上に保存するドライブ、ホームページに何人の人が訪れたかを集計するアナリティクスなど、全てグーグルのサービスですが、利便性では他を圧倒していますし、みんなが使っているという普及度もグーグルのサービスが上回っています。
これを実感して、番組の中で実験台になった人や、インタビューで答えた若者たちのように、プライバシーの問題よりも、利便性が勝ってしまうと私自身も考えざるを得ませんでした。
私はこれからもグーグルの多くのサービスを使い続けると思います。