音楽(music)

安室奈美恵さんが引退前にNHKの番組で言ったことば「レールの上を走っていて脱線しないようにしてきました。」

下の写真はNHKオンデマンドの写真です。

安室奈美恵さんは引退の直前にNHKの番組に出ました。安室さんによれば、どうして出たかというと、自分の気持ちを整理したかったのだそうです。

自分一人では、難しかったので、NHKに出ることで、インタビュアーの質問に答えていくことで、自身の気持ちを整理できるのではないかと考えたそうです。

その中で最も印象的な言葉だったのは、自分はひたすら線路の上を走ってきて、線路から脱線しないようにだけ気を付けてきました、という言葉でした。

これは、ショッキングでもありました。

小室哲哉さんという天才的な作曲家兼プロデューサーと一緒に仕事をして、ヒット曲も数多く出してきた安室さんは、実は心の中ではそう思っていたのだと。

言われてみれば、確かにその通りでした。

安室さんが歌ってきた曲は、どうすれば売れるかということを第一に小室さんが作り、安室さんに歌い方などを指導した曲ばかりです。

安室さんの気持ちや、感情、やりたいことなどは二の次、三の次でした。

NHKのスタッフが小室さんにインタビューした時、安室さんの印象はとても物静かな女の子という印象を持ったと言います。あまり自分の意見も言わなかった、ただひたすら小室さんのいうことを聞いて、自分の気持ちなどは話さなかったと言います。

ステージでの安室奈美恵さんの印象とはかけ離れています。

そして、転換点がやがて訪れます。

安室さんが産休、育児休暇を取っていた1年間の間に、世間の音楽情勢は転換点を迎えていました。

バブルがはじけ、山一証券などの大手企業などがあいついで破綻して、その影響は若い人たちをも直撃しました。

若者たちは、行き場のない気持ちを抱えるようになって、そしてその行き場を音楽に求めました。

宇多田ヒカルさんなど、商業音楽さを感じさせさず、歌う人の正直な気持ちをストレートに歌詞にした曲に共感することで行き場のない気持ちを発散させるようになったそうです。

つまり今までのような、曲が良いだけ、歌詞がかっこいいだけ、では若者は曲を聴かなくなっていきました。

安室さんが産休・育児休暇から現場復帰した時もその状態は続いていて、もはや小室哲哉さんという天才的なプロデューサー兼作曲家をもってしても、ヒット曲が出なくなりました。

それからしばらくして安室さんは小室さんの元を離れることになります。

その後、安室さんはどうしたら良いか、どうしたら自分のやりたい音楽ができるのかを、試行錯誤する時期に入ります。

キーボードを買って、自分で作曲しようとしたこともあったそうです。

世の中は、音楽をiPod(アイポッド)やユーチューブなどで配信する時代になり、そんな時にアップルのアイチューンズなどもできて、今までの一方的に音楽会社が音楽を提供するという枠が外れました。

誰でもインターネットを使って配信できるようになりました。

しかし安室さんはあえてそうしたことはしませんでした。

なぜかはご本人のみが知るところですが、それはアメリカから帰国してきた多くのミュージシャンの影響が多分に働いていたと言います。

彼ら彼女らは、やはり自分の言葉で歌詞を作り、自分の感覚で曲を作りました。

小室さんもおっしゃっていたのですが、自分はいつも新しい音楽作りを目指してきたはずだったのに、いつのまにか古い音楽をやっている側の人間になってしまったと。

余談ですが、アメリカや韓国、ヨーロッパなどではそうしたネット配信の音楽サービスに移行していて、CDの売り上げはたちまちに減少して、全体の2割ほどになりましたが、日本はその中でまだまだCDの売り上げが全体の6割を維持している珍しい国なのだそうです。

ですので、まだまだ商業音楽は日本の主流です。

そんな中、安室さんは自分の音楽活動のやり方を見つけます。

それは全国をコンサートで周ることです。リスナーと直接面と向かって歌う道を選びました。

とにかく、コンサートをしてファンの人と同じ空間で音楽を共有するという、当時のインターネット配信で自分の歌を流すということとは逆行したような行為でしたがあえて安室さんはそれを行います。

それこそが安室さんがやりたかったことなのですね。

そして、引退の一年前に引退を宣言します。

時代は後からついてくるのか、安室さんが行ったコンサートという手段は、他のミュージシャンも行うようになり、右肩上がりでチケットの販売数は増えていきます。

安室さんという存在は、商業音楽から始まって、そして最後は自分がしたかったファンと直接向き合うコンサートを行うとといった、時代の最先端を先取りした形で幕を閉じます。

いかがでしたでしょうか。

長々とお読みくださってありがとうございました。

via PressSync

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