アマゾン・アンリミテッドという通常月額990円で6500万曲が聴き放題という、音楽配信サービスがあります。
今はキャンペーンをやっていて新規加入に限って4ヶ月間の間は月額99円で聴けて、5ヶ月目以降は月額780円で聴けるそうです。
通常価格は月額990円なので、大変お得なキャンペーンではあります。
しかしどうしてもわたしにはアマゾンのサービスをこれ以上増やすことに抵抗感がありました。それは何故かというと、わたしは買い物も食料品以外はほとんどアマゾンで買っていますし映画を観るのもアマゾンです。アマゾンへの依存度が現時点でもとても高いです。
アマゾンの噂(うわさ)はあまり良くなくて、超大手ならではの強みで宅配便会社には採算が取れないくらいの値引きを迫り、アメリカの会社でありながら、アメリカに収める税金はこれほどの大企業にしては少なすぎると聞きます。アマゾン社内での労働環境もよくないということも聞いたこともあります。
そして何よりもアマゾンが便利なため個人経営や中規模の電気屋さんが潰れたり中小規模の書店などが潰れたりしてきました。
つまり、アマゾンは世界でも有数な超大企業で、アップルやグーグルなどと同じで、市場を独占することができる企業です。
そのアマゾンの寡占(かせん:同一産業内で、少数の大企業が、その市場を支配している状態)にあると言えるでしょう。
これが意味することは、多くの同業者を蹴落として、潰していくということです。
もし一時的に低価格、高サービスを武器に、同業他社を次々に潰していき、競争相手がいなくなった時には、競争の原理が働かなくなるということであり、危険なことです。
アマゾン・アンリミテッドのような音楽配信サービスは現在日本国内だけでも、ちょっと調べただけで、11社ありました。
ざっと調べただけなのでこれ以上あるかもしれませんが、その中にはやはりアマゾンのように誰もが知る大企業が参入しています。
アップル・ミュージックやグーグル・プレイ・ミュージックはアマゾン同様、寡占している企業です。
その他名の知れたところではLINEミュージックや楽天ミュージック、AWAなどがあります。
それ以外で珍しかったのが、スエーデンのストックホルムに本社を構えるSpotify(スポティファイ)があります。スポティファイは2億人以上の会員を抱えてはいますが、半分の1億人以上がフリープランと呼ばれている無料会員です。
スポティファイは国内唯一の無料会員でもフルコーラス(曲の最初から最後まで)で聴くことができるサービスを提供しています。
何故無料会員でもフルコーラスで聴くことがてきるのかと疑問に思いました。他に国内で同じ無料サービスを提供しているところはありません。
それは、会社の社是ともいうべき会社の理念によるものでした。
スポティファイを運営するスポティファイ・テクノロジー社は国内の海賊版を一掃するという理念を持っているのだそうです。
それゆえに無料会員でもフルコーラスで聴けるようにしているようです。
いくら海賊版と言えども、無料で配るわけにはいきません。もし本当に無料で聴けるならそちらの方を選ぶでしょう。
このアメリカや特に中国の企業ではあり得ない無料会員へのフルコーラス配信という、わたしはスポティファイが本社を置くスエーデンのことは何も知らないのですが、これがスエーデンらしい企業理念なのかはわかりませんが、 正直このことを知って驚きました。



スポティファイは収益の半分を印税代として支払っても海賊版をなくすという会社の理念のもと赤字になりながらも無料会員(フリープラン)を続けています。こんな会社がこの世の中にあるのだなと。
ちょっと感動を覚えた私は早速スポティファイに登録しました。スポティファイは3か月間は無料お試しで聴くことができます。先月の23日で無料期間が終わったので今は月額980円のプレミアムプランで継続利用しています。
最初はスエーデン国内の海賊版根絶が理念でしたが、世界に進出してもその精神は変わらず、日本で2016年にサービス開始後も日本でも無料で聴き放題のフリープランが健在です。
しかし、2億人を超える会員のうち半分の1億人以上が無料会員で、会員数こそ無料会員が底上げしているため世界トップですが、スポティファイが支払う印税代が年間の収益1,000億円の半分の500億円以上で、会社の収支は赤字の状態です。営業利益(収益から最低限かかった費用を引いた額)は前年度比マイナスです。純利益(経常利益に本業以外の臨時的あるいは例外的な「特別利益」や「特別損失」を足し引きし、さらに法人税や住民税を差し引いた残りの利益)はかろうじて前年度比プラスと記載されてました。
※経常利益とは、会社が各決算期中に経常的な事業活動で得た儲けを示します

抜粋ここから
2013年時点では年間10億ドル(約1000億円)以上の収益をあげており、そこからアーティストへのロイヤルティー(印税)として5億ドル(約513億円)を支払っている[16]。これが重荷となってSpotifyは赤字が続いており、権利者への印税の減額交渉を開始するなど、収益改善に取り組んでいる[17]。
出典「Spotify – ウィキペディア」
スポティファイはスウェーデンの本社以外にヨーロッパを中心に世界に15の支社を持つ多国籍の大企業です。しかし調べたサイトの時価総額ランキング・トップ30には載ってませんでした。(下記画像は企業ランキングのForbes Gloval 2000(フォーブズ・グローバル・2000)の2018年版です)


上の表は米国フォーブス社が毎年発表している世界トップ企業ランキングです。参照したホームページには上位30社が掲載されていましたが、ヨーロッパの会社で入っていたのは、オランダの石油会社 ロイヤル・ダッチ・シェルやドイツのフォルクスワーゲンなど極わずかでした。
下記グローバル社のサイトでは2019年版の上位2000社がご覧いただけます。

わたしはこんなユニークな企業理念を持っている大企業がスエーデンにあったことに驚きました。
そしてちょっと感動しました。普段お世話になっているアマゾンをはじめ、様々な会社のお世話になってきましたが、そんな理念を持って経営されている会社のことなどは聞いたことがないからです。
世界の超大企業といわれるアメリカや中国の企業が世界を席巻(せっけん)していて、アマゾンやグーグル、マイクロソフト、アップル、中国のアリババなどの寡占の中で、スポティファイのようなユニークな社是(ポリシー)を持っている会社の話は聞いたことがありませんでした。
音楽配信サービスの会社としては老舗のスポティファイですが、アップルやアマゾンなどに比べて日本ではまだ知名度としては低いです。
それに日本ではアメリカなどと違ってまだまだCDが売れている国なので、音楽配信サービスはアメリカほど浸透していません。
確かに私も同様で、私が好きなシンガーソングライターの岡村孝子さんのCDは、音楽配信サービスで聴けるものでも購入しています。
下記画像は「TIMERS SOUND」というサイトで見た、日本と世界を比較したCDの売上額(パッケージ売り上げ額)の2017年の表です。

まだまだ、日本ではCDの売れ行きが好調です。それはいいことだと思います。どうしてかというと日本の雇用が増えるからです。CDを作るには、様々な中間層の会社がかかわります。それが日本の企業でしたら日本の雇用が増えることになります。
それから、CDの良い面はアーティスト(歌手やシンガーソングライター)に入るお金(印税)が高いということもあります。
私は日々生活していて、気持ちが凝り固まってしまうことがあります。そんな時に凝り固まった気持ちをほぐしてくれるのが音楽です。
私にとって音楽はなくてはならないものなので、曲を作って歌ってくださる方々によりたくさんの印税が入り、また新しい曲を作っていただきたいと思います。
最後に日本での音楽配信サービス利用者がどの会社のサービスを選んでいるのかということを約4000人にウェブサイトで調査した結果画像を載せさせていただきます。

コメント